投資助言・代理業とは?

投資助言・代理業とは? | 行政書士アイリス合同事務所

投資助言・代理業とは?
金融商品取引法における専門的投資サービス

投資判断の「助言」と契約締結の「代理・媒介」を理解する

はじめに:多様化する投資サービスと法規制

現代の金融市場では、個人から機関投資家まで、様々な投資家が資産運用を行っています。これに伴い、専門的な知識や情報に基づいて投資判断をサポートするサービスへのニーズが高まっています。金融商品取引法(以下「金商法」)は、これらの投資サービスを厳格に区分し、投資家保護と市場の健全性確保を図っています。

このページでは、金商法で定められている「投資助言・代理業」が具体的にどのような業務を指すのか、その定義と主な業務内容、そしてなぜ国の登録が必要なのかを分かりやすく解説します。

投資助言・代理業の定義

投資助言・代理業は、金商法第28条第6項において、「投資助言業」と「投資代理業」の二つの業務を合わせて指す金融商品取引業の一種です。これらの業務を行うには、内閣総理大臣の登録が必須となります。

1. 投資助言業とは?(金商法第2条第8項第11号)

投資助言業は、「相手方に対して、有価証券の価値等又は金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に関し、口頭、文書その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(投資顧問契約)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと」と定義されています。

簡単に言うと、「報酬をもらって、投資のプロが『どの金融商品を、いつ、どうやって売買したらいいか』といった具体的なアドバイスをする仕事」です。最終的に投資を行うかどうかは、アドバイスを受けた顧客自身が判断し、実行します。

2. 投資代理業とは?(金商法第2条第8項第12号)

投資代理業は、「投資顧問契約又は投資一任契約の締結の代理又は媒介を行うこと」と定義されています。

これは、「投資助言業者や投資運用業者(顧客の資産運用を全て任される業者)に代わって、顧客との間で契約を結ぶ手伝いをする仕事」です。投資代理業者は、顧客に直接投資のアドバイスをすることはありません。あくまで、契約を結ぶための橋渡し役となります。

投資助言業と投資代理業の主な違い

両者の違いをまとめると以下の通りです。

項目 投資助言業 投資代理業
業務の性質 投資判断に関する「助言」を直接提供 投資顧問契約または投資一任契約の「締結の代理・媒介」
直接の助言 行う 行わない
最終判断・実行 顧客が行う 投資助言業者または投資運用業者との契約後に顧客または投資運用業者が行う
登録区分 金商法上の「投資助言・代理業」として一括登録

なぜ「登録」が必要なのか?

投資助言・代理業を行うには、金商法第29条に基づき、内閣総理大臣の登録が必須とされています。この登録制度は、次のような大切な目的のために作られています。

  • 投資家をしっかり守るため: 投資に関するアドバイスは、投資家の財産に直接影響を与えます。登録制度は、この仕事をする会社や人が、ちゃんとした専門知識や倫理観、そしてしっかりした会社の仕組み(内部管理体制)を持っているかを事前に審査することで、悪い会社や人から投資家を守ります。
  • 金融市場を健全で公平に保つため: 厳しい登録制度と、登録後も続く国のチェックによって、市場全体の信頼性を高め、公平な取引が行われる環境を維持します。
  • 無許可で仕事をするのを防ぐため: もし許可を受けずに投資助言・代理業を行った場合、金商法によって個人には5年以下の懲役か500万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。会社(法人)の場合は5億円以下の罰金が科されることもあり、非常に重い罰則が決められています。

このように、投資助言・代理業の登録は、単なる役所の手続きではなく、事業が法律にのっとって行われ、信頼されるための大切なステップであり、事業を続けていく上で欠かせないものです。

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